例として、スマトラ島沖地震 (2004年)や

日本付近では2003年9月に発生した十勝沖地震(Mw8.3、最大震度6弱)や、近い将来の発生が指摘されている東海地震が例として挙げられ、東南海・南海沖の南海トラフ宮城県沖や三陸沖の日本海溝根室沖などの千島海溝でも発生する。関東大震災の原因となった関東地震(M7.9)は、震央は陸上だが相模トラフがずれ動いた地震であり、海溝型地震に含まれる。衝突型境界では、プレート同士が激しく衝突し合い、境界部分では強い圧縮の力が働いて地震が発生する。強い力によってプレートが砕け、その破片同士がずれたり、付加体がずれたりして地震が起こる。大陸プレート同士が押し合い衝突しているヒマラヤ山脈パミール高原チベット高原日本海東縁部などが主な発生地である。日本付近での例は、日本海東縁変動帯域を震源とする地震で、1983年5月の日本海中部地震(M7.7、最大震度5)、1993年7月の北海道南西沖地震(M7.8、最大震度6)などが例である。

発散型境界でも、マグマの上昇やプレートの軋みなどによって地震が発生する。主に、海洋中央部の海嶺で発生し、地震の規模はそれほど大きくない。東太平洋海嶺、オーストラリア南極海嶺、中央インド洋海嶺、南西インド洋海嶺、大西洋中央海嶺など各地の海嶺で地震が発生する。アイスランドやアフリカの大地溝帯では、陸上にある海嶺(地溝)の影響で正断層型の地震が発生する。トランスフォーム断層では、プレートのすれ違いによって地震が発生する。断層のタイプは横ずれ断層型となる。主な発生地には、トルコの北アナトリア断層やアメリカ西海岸のサンアンドレアス断層などがある。発生例としては、1906年4月のサンフランシスコ地震(M7.8)などが挙げられる。海洋プレートが沈み込んでいる大陸プレートの端の部分では、海溝から数百km離れた部分まで含む広い範囲に海洋プレートの押す力が及ぶ。その力はプレートの内部や表層部にも現れるため、プレートの表層部ではあちこちでひび割れができる。このひび割れが断層である。

周囲から押されている断層では、押された力を上下に逃がす形で山が高く、谷が深くなるように岩盤が動く(逆断層)。また、大陸プレートの一部分では、火山活動によってマグマがプレート内を上昇し、プレートを押し広げているような部分がある。また、周囲から引っ張られている断層でも、引っ張られた力を上下に逃がす形で山が高く、谷が深くなるように岩盤が動く(正断層)。また、押される断層・引っ張られる断層であっても、場所によっては断層が水平にずれ、岩盤が上下に動かないこともある(横ずれ断層)。多くの断層は、正断層型・逆断層型のずれ方と、横ずれ断層型のずれ方のどちらかがメインとなり、もう一方のずれ方も多少合わさった形となる。このようなタイプの地震内陸地殻内地震あるいは大陸プレート内地震と呼ぶ。伊豆半島ニュージーランドなどは海洋プレート上に位置しているが、これらの場所で起こる内陸地殻内の地震もこのタイプの地震として扱われることがある。このタイプの地震では地表に断層が出現しやすいため、断層型地震活断層地震などとも呼ぶが、プレート間・大陸プレート内・海洋プレート内地震は全て断層で発生することに注意する必要がある。内陸の断層は都市の直下や周辺にあることも少なくなく、直下型地震とも呼ぶが、関東地震のように陸地の直下を震源とする海溝型地震もあるため、それと区別する意味で「陸域の浅い場所を震源とする地震」のような言い方もされる。

地震の規模は活断層の大きさによるが、多くの断層はM6〜7、大きいものではM8に達する。海溝型地震と同じように、長い断層はいくつかの領域に分かれ、別々に活動する。同一の活断層での大きな地震の発生は、数百年から数十万年に1回の頻度とされている。都市の直下で発生すると甚大な被害をもたらすことがあるが、大きな揺れに見舞われる範囲は海溝型地震と比べると狭い領域に限られる。1976年7月の唐山地震(M7.8)、1995年1月の兵庫県南部地震(M7.3、最大震度7)や2000年10月の鳥取県西部地震(M7.3、最大震度6強)、2004年10月の新潟県中越地震(M6.8、最大震度7)や2007年3月の能登半島地震(M6.9、最大震度6強)、新しいものでは2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(M7.2、最大震度6強)や2010年1月のハイチ地震(Mw7.0)などが該当する。アメリカ西海岸、ニュージーランド、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシアアフガニスタン、イラン、トルコ、ギリシャ、イタリア、スイスなどに活断層が密集しており、大きな断層型地震が頻発する。

このタイプの地震はしばしば甚大な被害をもたらすため、将来の地震発生予測を目的に、1980年以後日本全土の活断層が調査され、危険な断層を順次評価している。兵庫県南部地震の前に公表された活断層の地図には他の大断層類と同時に「危ない断層」として有馬・高槻・六甲断層帯が危険と表示されていた。この調査作業は2009年現在も継続して続けられている。一方、ヨーロッパ中部・北部、アメリカ中部、オーストラリアなどには、過去の造山運動に伴ってできた断層があるが、その中には現在も動いている活断層がある。このような断層は、時々動いて最大でM4〜5程度の地震を起こし、稀に被害が出ることもある。また、そのような地域でもニューマドリッド断層帯のように活断層が存在し、頻繁に活動している場合がある。