防災の日は、日本の記念日である。

「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」こととし、毎年9月1日を中心として「防災思想の普及、功労者の表彰、防災訓練等これにふさわしい行事」が実施される[1]。また、「防災の日」を含む1週間を防災週間として、様々な国民運動が行われる。
防災の日」は、1960年(昭和35年)に、内閣の閣議了解により制定された。9月1日の日付は、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災に因んだものである。また、例年9月1日付近は、台風の襲来が多いとされる二百十日にあたり、「災害への備えを怠らないように」との戒めも込められている。制定の前年の1959年(昭和34年)には、伊勢湾台風が襲来していた。
防災の日」が制定されるまでは、9月1日に行われる行事は、関東大震災犠牲者の慰霊祭が中心であった。しかし、「防災の日」が制定されてからは、全国各地で防災訓練が行われる日となっている。

防災訓練
防災訓練とは、災害などに備えた訓練一般を指す。
古くは、バケツリレーなどの集団行動的な者が多かったが、現代では消火器の取り扱い、土嚢の作製、迅速な避難など火災消火を主とした物から地震や水害など広範囲に渡って訓練を行う様になった。古い防災訓練は江戸の町火消に見られる様に梯子を使ったものなどがあり、正月の出初式等に受け継がれている。
日本では関東大震災のあった9月1日を、1960年に防災の日と定め、国を挙げての防災訓練が行われている。その他、静岡県では7月第一土曜日を「地震津波対策の日(1993年北海道南西沖地震に拠る)」、12月第一日曜日を「地域防災の日(1944年東南海地震に拠る)」、また、福井市では6月28日(福井地震)から7月18日(福井豪雨)までを「皆で防災を考える21日間」として、いずれも県・市をあげて防災訓練が行われる。また、阪神・淡路大震災のあった1月17日近辺にも防災訓練は行われる。
大規模交通事故を想定した防災訓練 [編集]トンネル内事故による、火災発生時の訓練、高速道路の多重衝突事故による訓練。
水害を想定した防災訓練
主に、河川の流域地域で行われる。主な物は堤防の決壊に供えた土嚢の作製、水防工法の実施、決壊時の避難、誘導などである。水防訓練ともよばれる。
火災を想定した防災訓練
主に初期消火を目的とした訓練が主だが、消防署などではコンビナート火災、ビル火災など様々な火災に対応した訓練が行われている。近年、レスキュー用の設備が充実したため、レスキューを含めた訓練の充実が図られる様になった。コンビナート火災に於いては周辺住民の避難訓練も行われる事がある。
地震を想定した防災訓練
火災訓練に加え、大規模な避難訓練、救助訓練が加わる。特に、阪神・淡路大震災以降最も重要視されている訓練でもあり、防災の日に行われる訓練は地震を想定した物である。おもに関東から東海地方など近い将来、震災が想定される地域では、防災の日には地震時を想定した自治会自主防災会による近隣の救助訓練、小学校の集団避難・集団下校などの訓練が行われる。地震等により倒壊家屋など、生き埋めとなった被災者を捜索救助するにあたり、災害救助犬の活用を想定した警察・消防・自衛隊等との連携訓練が行われる。また、津波の影響を受けると思われる沿岸部では津波を想定した高台への避難訓練も実施されている。東京消防庁では、地震とそれに伴う火災の発生を複合的に想定した発災対応型防災訓練を実施している。
救出・搬送訓練
家屋倒壊・家具の転倒による救出訓練、担架・簡易担架・毛布・非常用階段避難車による搬送訓練。
救護訓練
三角巾の使い方、止血法、AED救急救命士等によるトリアージ訓練など。
情報伝達訓練
アマチュア無線郵便局員・災害時協定業者等のよる、情報伝達・被害状況伝達訓練。
避難所訓練
大震災の発生により避難所が開設された設定で、泊り込みの訓練が行なわれる。水道・ガス・電気は途絶したものとして使用が制限される。
炊き出し訓練
ライフライン、水道・ガス・電気が途絶した想定で、自主防災会等による食料調理の炊き出しの訓練。
帰宅訓練
帰宅困難者:都心より自宅への帰宅を徒歩で実施する。
船舶事故を想定した防災訓練
船舶からの救出、船舶消火など海上での訓練が主に行われる。
航空機事故を想定した防災訓練
航空機からの脱出・救出、航空機火災消火など空港での訓練が主に行われる。
毒・劇物を想定した防災訓練
主に、地下鉄などでのテロ活動などを想定した訓練が行われる。テロ活動以外には、危険物の火災、事故などを想定した訓練が行われる。
原子力発電所災害を想定した訓練
原子力発電所の事故に対応した訓練。