東京都水産試験場が1976年〜1992年にわたって

ナマズの観察により地震予知をする」研究をしていたが日本の公的機関が「ナマズの尾で地震が発生する」との仮説のもとで研究を行った記録は存在しない。また1994年、「地震ナマズが尾を振ることで起こるという説の検証」という7年間にわたる研究に対して、日本の気象庁にイグノーベル物理学賞が贈られた。しかしながら、授賞理由とされた報道が誤りであったことが後に判明したとして、イグノーベル賞公式Webサイトの歴代受賞者リストからは削除されている。主催者側の公式な見解は不明であるが、受賞者リストに記されていないことから、この授賞は撤回されたものと考えられる。東海大学地震予知研究センターでは「ナマズの行動と刺激要素に関する研究」を行っている。

岡山理科大学理学部の弘原海清(わだつみ・きよし)らは、大気イオンの濃度変化を用いた地震予知の研究を、特定非営利活動法人大気イオン地震予測研究会e-PISCOで行っている。これは兵庫県南部地震阪神淡路大震災:1995年1月17日)の前に大気イオン濃度が異常値を記録したことから、測定を開始したとのことである。同研究会の仮説によれば、地殻にプレート運動などによる圧力がかかり、 その結果、岩石に微細な亀裂が生じる。この亀裂からラドン(気体)が大気中に放出される。大気中に放出されたラドンとその壊変生成物は、電荷を帯びたイオンであり、これに小さな塵やホコリ (エアロゾル)が付着して大きくなる。大きくなった大気イオンは重くなり地表に落ちてくるが、その際に大気イオン濃度が異常に高くなる。 平常時の10倍〜約100倍に達する大気イオン濃度の異常が、地震の前にたびたび観測されているが、大気イオン濃度異常と地震との相関関係について統計的に有意であると立証される段階にはない。

そのほか東海大学などが様々な手法を用いて地震予知研究をしており、日本大学も「夜光」という小型衛星の打ち上げを計画しており、大規模な地震の直前に空が発光するとされる現象を宇宙から捉えようとしている。
静岡県地震防災センターでは「宏観異常現象収集事業」として宏観異常現象を県民から受け付け、ホームページで件数を公開している。また、関西の大学と経済界でつくる関西サイエンスフォーラムでは「地震宏観情報センター」の設置を提言している。

これらは他の科学的データと読み合わせることで地震予知の一助となる可能性が期待されているが、宏観異常現象という概念に対して肯定的な立場の者だけが協力することが考えられ、研究以前にその入り口で既にフィルタがかかるという統計としての問題点があり、その目的・手法・精度に欠くという指摘がある。また公的機関が科学的立場から逸脱したオカルトじみた事業を行う事には、道義的、教育的にも問題があるとする意見もある。
中国では、1975年に発生した海城地震において、国家地震局が動物の行動異常の報告を広く募集する活動によって地震の直前予知に成功し、死傷者の軽減に貢献したとされる。この「成功例」は宏観異常現象研究者の著書などで必ずといってよいほど紹介されるが、実際にはそうした異常現象によるものではなく、本震前に多発した前震によって大地震の発生が確実視された結果、予知が可能となったものである(山本弘 「ニセ科学を10倍楽しむ本」 楽工社 2010年)。そのため、その翌年に発生した唐山地震においては同方法による直前地震予知は失敗しており、以後の検証や継続調査なども行なわれていない。

断層
断層とは、地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態をいう。断層が動く現象を断層運動(faulting)と呼び、地震の主原因であると考えられている。食い違いが生じた面そのものを断層面(fault surface)と呼ぶ。断層面と鉛直線がなす角を断層角(fault dip)、水平面に置き換えた断層運動の方向を走向(fault strike)と呼ぶ。侵食や堆積環境の変化、火山岩の噴出・堆積などによってできた地層の境界は、一見食い違っているように見える場合があるが、ずれ動いたわけではないため断層ではなく、不整合、非整合などと呼ばれる。

その他の特徴による分類
震源断層とは、地震を起こした断層のこと。通常は地下にある。大きな地震では複数の断層が連動して動くことがある。
地震断層とは、地震時に地上に出現した連続した割れ目やずれのこと。通常は震源断層の上端に相当する。地表地震断層とも言う。震源断層と混同されることが多い。
伏在断層とは、断層運動によるずれが地下深部でのみ生じたり、またはずれた後に急激に土砂で埋められたりして、地表では確認されない断層のこと。
雁行断層とは、大規模な地質構造の変動に伴い出現する断層群のこと。並行断層ともいう。断層帯の延びの方向と45度程度の角度をなして、複数の断層が並んで出現するさま(例えばカタカナのミのように)を、雁の飛行に例えて命名されている。
構造線とは、両側で地質が大きく異なる断層のこと。他の断層よりも長い傾向にある。中央構造線糸魚川静岡構造線、棚倉構造線、柏崎千葉構造線などがある。